1980年代は結構音楽を聴いていた。
中学時代は洋楽に目覚め、当時流行っていた曲をエアチェック。
ロック、ポップスが中心だった。

1970年代は無知。
正直、セックス・ピストルズもひとつ前の時代で聴かずに終わった。
パンクは無縁で不良という感覚も田舎小僧は持っていた。
残念ながら本作に登場する人物も「東京ロッカーズ」も知らなかった。

今更ながら本作を観て当時のエネルギーに胸が躍った。
今とは180度違う時代感覚だが、まさしく青春なんだろうと。
僕があと5年早く生まれていたら、捉え方は違ったかもしれない。

映画は過激なシーンからスタートする。
大河ドラマの主役がいきなり全裸になりライブ会場で放尿をする。
(NHKからのクレームはなかったのか)
その行為を愛と語る概念には無理を感じるが論破する力強さ。
まあ、この程度バラしても作品には支障はない。

本作は写真家・地引雄一の自伝的エッセイを原作に映画化。
彼がバンドのカメラマン兼マネージャーだった1978年を中心にその目線から描く。
主人公ユーイチはもやもやした若者でパンクロックに刺激を受け、
ライブハウスで知り合った連中と活動を共にする。

それが吉岡里帆演じるサチであり若葉竜也演じるモモ。
若葉竜也をパンクバンド「TOKAGE」のボーカルに持ってくるのが渋い。
メジャー作品に位置する本作だが、そう臭合わせない田口トモロヲ監督や宮藤官九郎脚本。
作品もインディーズっぽい。
インディーズっぽさって何だ?といわれると困るが・・・。
雰囲気は伝わるはず。

「TOKAGE」や「軋轢」らを集め「東京ロッカーズ」を結成し全国ツアーを行う。
ポリシーを大切にしたいバンドと上手く興行に乗せてヒットさせたいレコード会社との葛藤。
その中で生まれる人間関係のゴタゴタ。
青春という一言で片づけるのはチープだが、時代に翻弄される姿が愛おしく感じる。

アナログ全盛時代で何もかもが手作りで自分たちの技術がすべて。
それはそれでいい時代・・・。
70年代終わりの混沌とした時代から僕ら80年代後半のノーテンキな時代に移っていく。
そうやって繋がっていく。
音楽には疎いが、流行り廃りも時代と共に変化して今がある。

時代はズレてはいるが、少なからず僕は共感。
今の20代が本作をどう感じるかを知りたい。
吉岡里帆も真剣に演じているしね。