一部では話題になっている作品。
タイトルがFUJIKOだが、富士山の富士子と最後の最後で理解した。
劇中にも名前はイヤというくらい登場するが、漢字で表現されるシーンはない。
静岡だから富士子なんだと終盤で気づくとは感性が鈍いのかな。

描かれるのは1970年代後半から1980年代始めの静岡。
企画・プロデュースのMEGUMIがなぜこの時代を選んだのかは分からない。
調べてみたが(調べ方が悪い?)確認できない。

彼女は1981年の岡山生まれなので、自身を投影させているわけではない。
生きる時代も違う。
なぜこの時代のシングルマザーを描くのか、
そこに大きな意味があるような気もするが理由は不明。

それはともかく映画は激しく突き進む。
富士子はひょんなことからシングルマザーとなり荒波にもまれながら懸命に生きる。
今の時代でもシングルマザーが生きるのは大変だが、
40年以上も前だと苦労はもっと増える。
それも身内の協力を拒否して生活する姿は過酷でしかない。

見方を変えれば、それが自分を貫くということ。
キャリア的な観点からすれば、女性が自立し自分の能力を高める生き方。
シュロスバーグの転機ではないが、数々のノンイベントを乗り越えて、
自分事として捉え前を向く。
純粋に勇気づけられることも多い。

主役富士子を演じる片山友希の演技が素晴らしい。
5年前の「茜色に焼かれる」でも彼女の存在感について書いたが、本作はさらに上回る。
泣いて笑って、叫んで怒鳴って、走り回る姿に引き寄せられる。
彼女の魅力が作品のクオリティを上げているのは間違いない。
もしかしたら2026年の主演女優賞かもね・・・。

かなり周りに迷惑を掛ける富士子だが、懸命な姿を見てサポートしてくれる存在もある。
そのあたりもシュロスバーグ的。
蕎麦屋のイッセー尾形とか・・・。
予告編では偏屈な爺さんかと思ったが、とてもいい人だった(笑)。

本作には懐かしいと思う俳優陣も結構出演。
岸本加世子もうじきつよしも久しぶり。
竹下景子はCMの世界くらい。
それも新鮮。

これからの富士子はどんな生き方をしていくのか。
その先が楽しみに思える作品だった。