「国家が破産する日」「1987、ある闘いの真実」に続いて、Amazonプライムで鑑賞。
朝鮮戦争から50年を長男として生まれた男の激動の生涯を描く。
韓国では歴代2位となる観客動員数1400万人を記録した大ヒット作。
その理由も頷ける。
厳しい現実を抉る社会性だけでなく、随所に笑いと涙が散りばめられた、
極めて質の高いエンターテインメントに仕上がっている。

物語は朝鮮戦争時の凄惨な撤収作戦から始まる。
父と妹と離れ離れになった主人公ドクスは、
父との「家族を守る」という約束を胸に、必死に生きていく。
驚かされたのは、当時の韓国の人々が置かれた過酷な境遇。
外貨を稼ぐためにドイツの炭鉱へ出稼ぎに行ったこと。
多くの若者がベトナム戦争の戦地に駆り出されたこと。
隣国の歴史でありながら、僕はこれらを全く知らなかった。

平和な日本で過ごしていた自分とのギャップに、またしても言葉を失う。
家族の生活を支えるため、命の危険を顧みず異国の地で働く。
その執念ともいえるひたむきさに、胸が熱くなった。

主演のファン・ジョンミンと相棒役のオ・ダルス。
この二人のコンビネーションが実に素晴らしい。
映画「ベテラン」でも絶妙な掛け合いを見せていたが、本作でもその相性の良さは健在。
重苦しくなりがちなテーマの中で、彼らのユーモラスなやり取りが救いとなっている。
この2人のコンビは他の作品でもあるのかな・・・。

映画の舞台となる「国際市場」。
かつては混乱の象徴であり、やがて復興の象徴となった場所。
一人の男の背中を通して、韓国という国が歩んできた苦難の道がまざまざと伝わってくる。

これまで観てきた政治や経済の映画とはまた違う、家族という最小単位の視点。
しかし、その向こう側には抗いようのない大きな歴史のうねりがあった。
知るべき歴史が、まだ山のようにある。
10年以上前の作品だが、もっと早くに観ておきべきだった。
実在する人物も登場するが、本作はファクションでもないみたいだけどね。