今回もスケジュールの関係で吹替版での鑑賞。
観終わって改めて痛感したのが、やはり字幕版の方がリアリティを感じる。
今後はどんなに上映時間が微妙であっても、極力字幕版で観たい。

映画の本編について語る前に、ひとつ触れておく。
主人公ビッグと途中から共同生活を送ることになる女性シーマの存在。
演じているのはマーガレット・クアリー。
「絶対にどこかで観たことがある」と確信したものの、観ている最中は誰だか分からず。

後から調べてハッとした。
「サブスタンス」で肉体美と色気を丸出しにして強烈な印象を残したスー役だったのだ。
ちなみに「サブスタンス」は僕が選んだ昨年の外国映画1位作品。
あの時の艶やかな存在感と本作で見せる戦闘モード溢れるシーマとの激しいギャップ。
僕はすっかりファンになってしまった。
本作もちょっと色っぽいし・・・。

物語は謎のパンデミックによって人類の大半が死滅してしまった終末世界が舞台。
生き残ったわずかな人々が限られた物資を奪い合い、
ただ自分たちの命を守るために死闘を繰り広げる。

普段、この手のテーマの映画を選ぶことは少ない。
しかし本作は巨匠リドリー・スコット監督作品。
何か特別な社会的主張やメッセージが込められているのではないかと期待した。
結果として深遠な思想のようなものは特に感じなかったが、
純粋にハラハラドキドキと楽しむことができた。

映画を観ながら、以前読んだ「共感革命」という本がふと頭をよぎった。
人間という生き物は結局のところ、常に新たな土地や食物を求めて移動し、
その先で奪い合いと争いを繰り返す。
2035年という近い未来を描いた作品ではあるが、
人間の行動原理自体は原始時代のそれと何一つ変わっていないのではないか。

同じく吹替版で観た「オークストリートの異変」は恐竜が飛び出す非現実の世界。
しかし本作が描く荒廃した世界は現実の延長線上にあり、
いつ起きてもおかしくないリアルさを孕んでいる。

いずれ僕たちの世界もこうなってしまうのではないか。
そう考えると単なる娯楽作として片付けるにはいかず、
恐ろしさが増してくる一本だった。