これからも前向きに 名大社会長ブログ

映画「ワン・バトル・アフター・アナザー」

事前情報はほぼなし。
162分の上映時間に迷いもあったが何気に評価が高かったので観ることにした。
解説を読むと元革命家のレオナルド・ディカプリオの娘を
軍人のショーン・ペンが執拗に追いかけるというストーリー。
勝手にディカプリオが悪者、ショーン・ペンが正義と決めつけたが、まるで違った。
しっかりと解説を読んだ方がいいか、もしくは事前情報は全くないほうがいい。

設定はディカプリオが主役だが、影の主役はショーン・ペン。
まだまだ元気な60代。
ショーン・ペン演じる軍人ロックジョーがかなりヤバい。
この年齢で筋肉ムキムキな体にも驚かされるが、行動はまともじゃない。

はっきりと変人といったほうがいい。
最大限に権力を活かし憑りつかれたような動き。
確かに最初に登場した時からヤバかった。
こんな書き方をするとホラー映画と勘違いしてしまう。

ネタバレしない程度に解説しよう。
カリスマ革命家女性と結婚したディカプリオ演じるロブ。
2人に間に生まれた娘ウィラ。
革命犯が犯した事件を追う軍人ロックジョー。
あくまでもこれは伏線。

舞台は15年後の現在。
元革命家のボブはすっかりぐうたらで娘の成長だけが生きがい。
そこにロックジョーがある理由から再び現れる。
ごくごく私的でありながら生命線ともいえる理由。
冷静にみればあり得ない展開だが、巻き込まれた側は命懸け。

ロブは酒づけクスリづけで以前のような体力もなく大事なことも覚えていない。
一方、ムキムキのロックジョーは動きも軽快。
誰がみても力の差は歴然。

そんな中で追う、追われる展開。
といってもトム・クルーズのような派手なアクションはない。
スーパーマンのような大義もない。
登場人物はすべて曲者でまともな人は誰も出てこない。
唯一、娘ウィラくらいだがダメ親父に影響を受けている面もあったり。
そこに怪しい組織が絡んできて・・・。

ヒシヒシと迫りくる緊張感がよかった。
ラストもなるほどと唸ってしまったり。
個人的に良かったのが娘ウィラを演じたチェイス・インフィニティ。
意志の強さが伝わってきた。

そして何といってもショーン・ペン。
久々に映画で観たが、こんなふうになっているとは。
これだけキャリアを積んでも更に広げていくのかな。
そんな作品でもあった。

※ブログを書いた後にHPを確認したら、
作品の紹介は「ヤバい以外でお願いします」と書いてあった。
ヤバっ・・・。

映画「ピアノフォルテ」

たまには知らない世界のドキュメンタリーも必要と鑑賞。
クラシック音楽の世界、特に最高峰とされるコンクールの舞台裏は、
普段我々が身を置くビジネスとは全く異なるものだと思っていたが、
その熱狂と競争の厳しさは、
むしろあらゆるプロフェッショナルの世界に共通する本質を教えてくれた。

驚いたのは、僕たちが普段目にすることのない音楽家の世界にある「とてつもない競争」。
世界中から集まった若きピアニストたちが、
たった一つの栄冠を目指して文字通り人生を賭けている。
彼らの表情には、音楽への愛と勝者でなければならないというプレッシャーが入り混り、
その切迫感は企業経営における市場競争の厳しさと重なる。
世界レベルの戦いとは、僕らが想像する以上に過酷な「生存競争」なのだ。

特に印象的だったのは出場者たちが会場に用意された複数のピアノから、
自分の演奏に適した一台を選ぶシーン。
彼らはわずかな音色の違い、鍵盤の重さ、響きの粒立ちを、
極限まで集中して聴き分け「この音だ」と瞬時に見極める。
「ピアノの音を見極める」という行為は、外野からは理解しがたい。
というは違いは全然分からない。
彼らが積み重ねてきた膨大な時間と経験の賜物なんだろう。

これは僕たちの仕事にも通じる教訓。
優れた経営判断や採用における人材の見極めも一見華やかだが、
その根底には日々の地道な経験と瞬時の判断を下すための「見極める力」が不可欠。
一流とは誰も気づかないわずかな違いにこだわり、
それを結果に結びつけられる者のことだ。

そして、過酷な競争を生きる彼らが奏でる音楽はやはり素晴らしいの一言に尽きる。
極限の状況下で生まれる芸術は、人の心を揺さぶり感動を与える。
彼らが毎日地道に積み重ねる一歩一歩が聴く人々の「明日」の活力につながる。

「一歩一歩が明日につながる」。
この映画は音楽の世界の話でありながら、
どの世界で生きるプロフェッショナルにとっても、
前向きな姿勢と弛まぬ努力の重要性を再認識させてくれる作品だ。

映画「8番出口」

映画評論仲間のBush解説員が絶賛していたので、遅ればせながら鑑賞。
評論仲間の評価に対して一般的な評価は高くはない。
この差は何だろうか。
想像力の差か、読解力の差か、集中力の差か、単純にストーリーの差か。

ただ観終わった後、絶賛する理由も理解できた。
本作はいきなりボレロから始まる。
昨年観た誕生秘話の「ボレロ 永遠の旋律」
世界的な有名な名曲だが、同じリズムの繰り返し。
飽きることなく聴かせる音楽性は最大の魅力。

本作との共通点は同じことを繰り返す点。
意図的かどうかは不明だが、間違いなく連動させることで自身を深く落とし込む。
それがいい緊張感に繋がるのではないか。

本作は世界的ブームを巻き起こしたゲームを実写化。
僕はゲームをやらないので「8番出口」がどんなゲームかも知らない。
映画の途中まではどこがゲームなのかさっぱり分からなかった。
しかし、同じような映像を見せられるうちに徐々にどんなゲームかが見えてきた。

「8番出口」って、こんなゲームなのか。
本作はそのゲームの上に人の生き方を乗せてくる。
これが結構厄介。

シンプルに間違い探し的な流れなら分かりやすい。
そこに人生とやらを乗せてくるから面倒になる。
地下道ですれ違う人がどんな影響を与えるのというのか。
考えようとすれば深みにはまり出口が見えなくなる。
堂々巡りというわけか。

川村元気監督の狙いはそこなのか。
もっと違う視点か。
いえるのは限られたの空間で、ここまで想像力を掻き立てる力量。
長回しの撮影も効果的。
莫大な予算を掛けなくても、迫力あるアクションがなくても、
面白い映画は作れるということ。

映画館は小さな子供も観ており理解するには難しいと思うが、
こんな日本映画があっていい。
ある意味、日本映画に生きる道でもあったり・・・。

エンディングロールも斬新。
こんなスタイルもあるのかと感心して眺めていたら、
Special Thanksで山田洋次、是枝裕和、李相日が登場。
日本を代表する映画監督の名前。
調べてみると脚本や作品の方向性に協力していたという。
90歳を超える名匠がこの手の作品に協力する懐の深さに感動。

資本が乏しい日本映画界。
しかし、こんな作品が世界にインパクトを与えるかもしれない。
そんなことも感じた映画だった。

意外と余裕、ランニング日記2509

先月のランニング日記はあえて目標未達成という内容だった。
あたかも90kmのランニングに満足しているような感じ。
言い訳なんてどれだけでもできる。
実際はその気になればやれるのにやらなかっただけのこと。
褒められることは一つもない。

気をつけなければならないのは当たり前にしないこと。
ダラダラなんて誰でもできる。
そのままズルズルいくのか、思い留まるのか。
仕事の結果はより顕著に表れる。
ランニングも基本は同じ。
目標未達成が普通になれば、そんな生活になるだけのこと。

さて、9月はどうだったのか。
滑り出しはよくもなく悪くもなく普通。
週4RUNのペース。
前半は暑い日が続いたので休日も5km止まり。
そのペースでは目標達成は難しい。

中旬になり朝晩が幾分涼しくなってきた。
休日は10kmRUNを再開してみた。
スタミナ切れは問題あるが何とかなる。
それでも20日現在で60kmという微妙な距離。

その気になればやれるけど、やるのか、やらないのか。
ズルズルいくのは自分自身が許せない。
21日以降は頑張ることにした。

8日間での距離は42キロ。
週6日走ったことになる。
その結果、9月のランニング距離は103km。
何とかしようとすれば何とかなる。
パチパチ。
200kmランナーには足元にも及ばないけど。

そんな9月は久々に皇居RUN。
9月下旬とはいえ、この日は暑かった。
6時半にホテルを出て九段下からぐるりと一周。

汗だくになりながらホテルに戻ったが、それでも気持ちにいい朝。
本当は前週の大阪でも走るつもりだったが、万博疲れもあり止めてしまった。
走っていれば皇居の写真が大阪城の写真に変わっていた。

9月は第5週は走らなかったので、結果だけ見れば意外と余裕の目標達成。
今月もそうなるといいけどね。
気候も良くなるので週末は距離を伸ばしていきたい。

食べ物のはなし 伏見シリーズ その324

伏見に戻ってきました。
会社を出て、普通にランチに行くのであれば悩む必要ありません。
せいぜい定食にするか麺類にするかです。
しかし、毎週水曜の食べ物ブログを意識すると悩みは増してきます。
果たしてどこに向かうべきなのか。
どこか新しいお店はないだろうかと・・・。

頭の中で地図を描きます。
あの周辺には何があったか?
あそこの店は確か閉店したはず?

地図を描きながら、広小路通を名古屋駅方面に向かいます。
ヒルトンホテル前までやってきました。
向かいにあるお店は「スパゲッティーのパンチョ 名古屋伏見店」さんです。

以前、ラーメン店でした。
約2年前にブログでも紹介しています。
人気店だと思っていましたが経営者は見切りが早いのか、いつの間にか閉店。

こちらは今年5月にオープンしたばかり。
名古屋にも「スパゲッティーのパンチョ」は数店ありますが、伏見には初出店。
オープン当初は行列ができていました。

さて、何を食べようか。
考える必要もなく選ぶメニューは一択。
あとは量を決めるだけです。

これでも名古屋の人気食べ物ブロガー。
読者を理解しているつもりです。
そして、期待に応えなければなりません。
並、大、メガ共に料金は同じ。
であれば自ずと注文は決まるでしょう。

カウンターに座りそのデカい粉チーズやタバスコを眺めます。

まずはスープで体を整えます。

「よし!いくぞ!」
自分自身に気合を入れます。
「おまちどうさまでした」
と注文した品が運ばれてきました。

ナポリタン(大) 980円

「え~っ、メガじゃないの?」
周りの批判的な声が届いてきます。
すみません、メガをお願いする勇気はありませんでした。

食べ物ブロガーのポリシーは提供された料理はすべて食べ切ること。
残すことは厳禁です。
もし、メガを食べきれず残すことになればこのシリーズも強制終了。
それだけは避けなければなりません。

粉チーズとタバスコを振り食べ始めます。
「まあ、大なら楽勝だな・・・」
食べ進めてもあまり減っていきません。
半分くらいでかなりお腹は満たされています。

「ヤバい、大を残すわけにはいかない」
必死に食べ続けます。
最後は気合と根性で完食しました。

やはり年齢には勝てないでしょうか。
次回は無理をせず並を注文します。
ナポリタンは普通に美味しかったです。

ごちそうさまでした。

大切なのは人との出会い in 西川塾特別例会

毎年9月26日は慌ただしい。
午前中は株式会社パフの株主総会&釘崎さん追い出しコンパ。
ブログにも書いたとおり。
僕は追い出しコンパを終え、そそくさと名古屋に戻った。

毎年この日は名古屋クラウンホテルで西川塾特別例会を開催。
66年前の伊勢湾台風がこの日で、
ユニー創業者の故西川俊男氏が商売の原点となった日。

西川塾主が逝去され今年で10年。
ご健在であれば100歳を迎える年。
今年は大きな節目ともいえる。
幹事グループはこの日のためにかなり綿密な準備を行ってきた。
まずはメンバーに感謝。

今年のゲスト講師はZoomの日本法人ZVC JAPAN株式会社の下垣社長。
西川塾としても変化の激しい時代に向き合うために相応しいゲストを招いた。
当日は塾生を含め100名近い経営者、幹部の方が参加。

まずは幹事長である僕の挨拶。

僕らをいつも温かく見守って頂ける西川博子塾主婦人にもご挨拶を頂く。
そして、下垣社長の講演。

畏まった敬称で呼ばれるのは苦手なようでガッキーさんと呼ぶ。
今回のテーマは「日本におけるZoomの急拡大とその背景~未来に向けたメッセージ~」
参加者の経歴を見ながら講演内容を作って頂いた。

守秘義務もあり詳細は明かすことはできないが、
ガッキーさんの波乱万丈の人生や歩んできたキャリア、Zoomの目指す世界、
これから大切にすべきことを熱く軽快に話して頂いた。

当初70分講演頂き質疑応答に移る予定だったが、そんな余裕はなかった。
熱の入った充実した内容はあっという間に終わり、質疑応答の時間は取れず。
やはりキーワードは人との出会い。
出会いを大切にしたからこそ今がある。
西川塾主が大切にされていたことと同じ。

会場を変え懇親会。
ここでは参加者同士が関係性を作る場。

例年であれば講師のテーブルに参加者が挨拶に来られるが、
ガッキーさんは自ら回るという。
食事も摂らなくてOKとのこと。
このアクティブさが今のZoomの成長に繋がっている。
僕は最初、同じテーブルだったがいつの間にか消えていた(笑)。

僕もいろんな方と挨拶しているうちに時間が過ぎていった。
〆の挨拶は塾生の太田さん。

太田さんらしい気づきのある挨拶。
西川塾の最後は名古屋ナモ締め。
こちらも僕の担当。
最初と最後は舞台に立たせてもらった。

そして全員で記念写真。
みなさん、いい笑顔。

今年も盛況のうちに特別例会を終えることができた。
塾生でお見送り。

何よりよかったのが、参加者一人一人のこれからに役に立ったこと。
いい刺激と学びだったのではないか。

例年、塾生は食事ができず終えることが多いが、
終了後、名古屋クラウンホテルさんに無理をいってささやかな懇親。
こちらも感謝!

忙しかったが、心地よい疲れが残る一日。
みなさん、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。

映画「俺ではない炎上」

公開当初、観る予定はなかった。
流行りに乗っかった軽い作品のように思えたのが理由。
僕は流行りに流されたりはしない。
しかし、レビューを見ると意外と評価が高い。
結局はいとも簡単に流されてしまった(汗)。

スピード感があるので飽きることなく楽しめたのは事実。
125分の上映時間は短く感じた。
SNSによる炎上の恐ろしさだけでなく、
人間関係の難しさや他責思考に陥る人の本質を描いていた。
娯楽性だけでなく社会性も含んだ作品。

ただ作品を振り返っていると矛盾というか非現実な設定もあり粗さも感じた。
多分、映画評論家はそのあたりはツッコみどころで評価に影響するだろう。
僕は自称映画コラムニストなので大目に見たい。

そもそもの動きが冷静になればすぐに解決に向かったはず。
追い込まれると冷静な判断ができないが、その次元でもないと思うし・・・。
あまり語ってしまうとネタバレになるので止めておこう。

簡単に解説すれば、阿部寛演じるハウスメーカーの営業部長のSNSアカウントを
他人が利用して危ない画像が拡散し炎上。
無責任な連中に追いかけられるという流れ。

僕自身、SNSに投稿はするが、知らない人にコメントすることはない。
ましてや誹謗中傷で相手を叩くことはあり得ない。
拡散投稿を見ることもない。
自分が責任持てない発言はしない。
たまに僕の投稿に変なコメントも入るがスルーするのみ。

これがごく普通だと思うのだが、
実際は本作のような使い方が中心なのかも。
そう思うと恐ろしい世界。

本作は過剰な投稿への痛烈な批判とも受け取れるが、
当の本人は「自分は悪くない」と思う程度なんだろう。
「悪い」と「悪くない」の括りでリアルな人間性が出るんじゃないか。

映画を観て感じたこと。
僕も営業部長山縣泰介と同じようなもの。
自分ではまっとうなつもりだが、周りはそう認識していない。
自分勝手な人間と思われているかもしれない。
それは家族でも会社でも。
こんな事件が起きてハッとさせられるのは勘弁して欲しいが、反省は必要。
奥さん役の夏川結衣の言葉に「やばっ」と思ってしまった。

それだけでも本作を観た価値はあったかもしれない。
大変なことが起きると人の本心が知れるんだろうね。
気をつけないと・・・。

なんだか自己反省の映画ブログになってしまった。

映画「宝島」

191分という時間は僕らに与えられた問い。
日本人としてどう捉えていくか。
いや、その括りでは曖昧な解にしかならない。

「うちなーんちゅ(沖縄の人)」と「やまとんちゅ(本島の人)」とでは解は異なる。
本島の人は合理的に考え日本全体として何が正しいかという判断。
一方で沖縄の方は感情面を避けることはできず自分たちの生活を一番に考えるだろう。
どちらが正しいというわけではない。
永遠に続く議論。
ただ合理的に考える僕らは歴史を知り背負った傷を理解しなければならない。

戦後の沖縄をニュースで見る機会は多い。
しかし、それは表面的に過ぎず生の声が届く機会は少ない。
届いたとしても政治的な要素が中心。
実態とかけ離れている面は多い。
本作が実態かどうかは分からない。

社会派作品でありながらエンタメ性も備えているので、
一本の映画としてどう評価するかも大事。
だが、それだけでは191分を費やした意味はない。
その問いに向き合わないと・・・。

最初に描かれるのは1952年のコザ。
思い出したのは「遠い山なみの光」
こちらは1952年の長崎。
戦禍に被った土地と原爆が落とされた土地。
戦争の被害者であるのは間違いないが、その景色は違う。

長崎の方が穏やかに映る。
日本であって日本でない。
守られることと守られないこと。
やはり「うちなーんちゅ」と「やまとんちゅ」とでは解は異なる。
この2本はできるだけ多くの方に観てもらいたい。
賛否両論ある作品だからこそ、そんなことを感じた。

本作は2度の延期を含め制作に6年要したという。
延期がなく撮影も一気に進んでいれば、
より魂が籠った作品になったと思うが訴えるべき力強さは変わらない。
時代背景やエキストラを含めここまでスケールの大きい日本映画が
このジャンルであるのも嬉しい。

莫大な予算をかけた作品は超娯楽作になりがち。
その方面に進まなかった東映にはあっぱれかな。
東宝ばかり目立つ日本映画だが意地を見せてもらった。
(そんなことは思っていないか・・・笑)。

大友啓史監督はもっと社会を深掘りする作品を撮った方がいい。
テレビドラマの傑作で僕の中では一番好きな「ハゲタカ」もそう。
「るろうに剣心」「レジェンド&バタフライ」もいいが、
日本を抉る社会派ドラマを作って欲しい。
そうすれば鋭く遠慮のない韓国映画にも対抗できる。

本作は俳優陣も見事。
妻夫木聡も窪田正孝も永山瑛太も迫力があった。
1952年の広瀬すずは「遠い山なみの光」と比較すべき。
もはや日本を代表する女優かな。

書きたいことはまだあるが、
「国宝」といい本作といい長時間の日本映画がここまでやれるのは喜ばしい。

そんな作品が更に増えることを期待したい。

「就職氷河期世代論」のウソ

この業界に入り、すでに36年目を迎える。
入社当時はバブル経済のド真ん中で売り手市場。
名大社がイベント事業に力を入れ、伸び始めた時期。
時代背景が大きく影響し波に乗ることができた。

僕は右も左も分からないハナタレ営業だったが、それなりに契約を頂くことができた。
入社4年目で新卒イベントの売上が全営業中2位というのは今でも記憶にある。

バブルが崩壊し採用市場も悪化。
東海地区の影響は少なかったとはいえダメージを受けた。
目の前は調子こいて就活する学生から必死に就職先を探す学生へと移っていった。
少し回復し、また下がる。
就職環境は1990年代半ばから2000年代前半にかけて小さな変化を繰り返した。

僕がサポートしていたのは東海地区の中小企業がほとんど。
就職氷河期といわれる時代でも決して人材採用はラクではなかった。
確かに大手企業を目指す学生は苦戦したが、角度を変えれば就職先に悩むことは少なかった。
しかし、それは本人にとっては不本意ということ。

いい時代であれば大手に入社でき、悪い時代だから中小にしか入れない。
言い分も分からなくもないが、僕の立場からすれば寂しいことであり腹立たしいこと。
中小企業を下に見ているようにしか思えない。

実際、僕は中小企業の経営者の立場でもある。
誇りをもって仕事をしているし、働く社員も誇りである。
否定されるのは許しがたい。
就職氷河期で苦労した世代が全てというつもりはないが、時代のせいにするのは違和感を覚える。
中小企業で活躍すればいいし、スキルを積めば大手企業へ転職もできる。

本書はいつもの海老原さんの著書に比べデータが多い。
個人的には海老原さんのモノの見方が好きだが、データが説得力を示してくれる。
今、この時代になっても同じ議論が繰り返される違和感は僕も同じ。

国の支援事業の協力を依頼されることもあるが、計画段階から疑問視することも多い。
まず上手くいかない。
実際、結果を見ても効果が得られるケースは少ない。
実施することが目的ではないかと思ったり・・・。

名大社の主催する転職フェアにはいろんな方が参加する。
氷河期の方もそうでない方も。
結果はそれぞれで世代に偏ることはない。
そんな経験からも本書には共感。

低レベルな僕では具体的な提案はできないが、著者の提案は新しい方法ではないだろうか。
メディア業界の視点、リスキリングのムダ、女性の結婚観の変化も面白かった。
このあたりは大学の授業で紹介しても響くだろう。

今回も勉強させてもらいました。
1回読んだだけではデータは把握しきれないけどね(笑)。

万博は行くことに意味がある

9月某日、大阪・関西万博に行ってきた。
開幕当初、さほど興味も沸かず行く予定はなかった。
周りの評判を聞くようになり、少し興味を持ち始めた。
ただ自分だけなら行くことはない。
家人が気持ちが大きく動き、7月に入り行くことを決めた。

7月、8月は暑い。
10月は閉幕ギリギリで大混雑の予測。
予定のない9月の日程を押さえた。
すでに2ヶ月前を切っており、最初のパビリオン予約は申し込みできず。
「7日前抽選」も「空き枠先着予約」も全く引っ掛からず。

何もない状態で当日を迎えた。
朝9時に予約をしていたが、21時からのドローンショーを見たいという。
さすがに12時間場内いるのは厳しい。
午後の時間帯に向かうことにした。

夢洲駅はかなりの人だったが、入場はスムーズ。
待ち時間はほとんどなく入場できた。

「やはり平日は空いているか」と一瞬期待したが、とんでもない。
会場内は人、人、人。
歩くのさえ困難な状態。

まずは北欧館へ。

比較的空いているパビリオンで40分程度の待ち時間。
空いている理由もよく分かった。

そこから場内を周遊。
大屋根リングからの眺めもいい。

それにしても人が多い。
どこのパビリオンも90分程度の待ち時間。
生ビールでのどを潤す。

東ゲートから西ゲートへ向かう。
ガンダムやミャクミャクくんを撮影。

これが万博に来た証。
オフィシャルストアに行きたいというので列に並ぶ。
お土産屋さんに入るだけで50分待つ。
トホホ・・・の世界。
ここじゃなくても新大阪駅で買えたかもしれない(汗)。

すでに太陽が沈む頃。

夕方、涼しくなってこともあり大屋根リングを歩くのは気持ちよかった。
しばらく芝生の上のまったりと過ごす。

これで万博を堪能したとしよう。
クウエート館が早く入館できる割に楽しめるというウワサ。
なんてことはない。
長蛇の列。
すでに受付も終了。

仕方ないので隣の中国館に並ぶ。

2時間待ちだというが、もうあれこれ言っている場合でもない。
結果的に2時間は待たなかったが、立ちっ放しの時間を過ごす。

中国館は迫力ある見世物。
宣伝要素は強かったが楽しむことはできた。
外に出ると20時前。

ドローンショーまで1時間。
さて、どうするか。
疲れもピーク。
あと怖いのは帰りの混雑ぶり。
地下鉄はとんでもないことになりそう。
待つ気力も体力も失くし会場を出ることに。

大屋根リングにサヨナラして駅に向かう。
中途半端な時間でも凄い人。

ドローンショーを諦めたのは正解だったか・・・。
ヘトヘトでホテルに戻り、近くのイタリアンで食事。
生ビールが最高に美味しかった。

この日は約2万歩歩いたことに。

更に立っている時間が長いので疲労は増す。
僕はまだ走っているからいいが、家人は相当キツかったのではないか。
ホテルに戻ると瞬間で寝てしまった。

まあ、これもいい思い出。
万博に行ったことに意味があるんだ。
と自分に言い聞かしながら、当日を振り返った。

自分に買ったお土産はこれだけ。

これから万博に行く人はどんな状態だろうか。
想像しない方がいいかもね。

もっと計画的に行動しないと。
そこは素直に反省。
お疲れ様でした。