これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「本を読む 映画を観る」の記事一覧:

Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係

Z世代評論家としては放置するわけにはいかない一冊。
Z世代の特徴はあ~だ、こ~だといわれてる。
確かにその傾向はあるが、すべてが共通の世代感とみるのは危険。

十人いれば十通り。
ある種の傾向性だけの話。
それは時代性もあるし育ってきた環境もある。
育ってきた環境という点ではタイトルにあるZ家族は腑に落ちる。

本書は実例だけでなくこと細かなデータも網羅しているので説得力は高い。
僕が予想した通りというよりそれ以上。
Z世代に与える親の影響力は強い。
親子の距離は近く何でも相談できる関係性もあるし、真っ先に相談するのは友達ではなく母親。

就職活動で「オヤカク」が常識になっているのも距離の近さを表す行動。
オヤカクは特別なことではないようだ。
僕が保護者向けセミナーの講師を依頼されるのはZ家族の存在が理由のひとつ。

そんな僕も本書でいうZ家族。
しかし、書かれている内容には当てはまらない。
子供から相談されることもなければ、尊敬されている感じもない。
これが父親だけで母親が近しい関係であればいいが、母親もそこまでではない。
さすがに僕よりは近いが本書とは程遠い。

やはりみんな同じじゃないんだよね。
我が家は極端かもしれないけど(汗)。
そこも含めて考えてみると子供は至って普通のZ世代的感覚の持ち主。
親の立場からすると子供の言動に不安を持つが、今の時代はなんら問題はない。

むしろ変わることを装いながらも本質的には変わっていない自分が時代に適していない。
(昭和的感覚とういべきか)
そんなふうに思ってしまう。
だから評論家でいられるのかな。

そういえば正月早々、家人の誕生日を迎えた。
冬休みが重なることもあり、毎年、家族で食事に出掛ける。
近年は子供らがお店を予約。
(支払いはこちらに回ってくるが)
その時にはちゃんと家人のケーキをお店に頼んでいる。

また、リビングがざわついていると思っていたら、娘、息子でプレゼントを渡していた。
僕が同じような時期に親に対してそんな経験はない。
その優しさというか気の回し方というか、いい空気の読み方も今の世代を象徴している。

もう少し冷静に客観的にこの世代を見るべきかもしれない。
いい勉強になりました。

映画「黄金狂時代 サイレント・4K修復版」

ミリオン座のチャップリン監督セレクションで鑑賞。
最初の公開は1925年6月。
今から100年前。
そう考えるとチャップリンの凄さがよく分かる。
今から100年も前にこんな素晴らしい映画が製作されたのだ。

僕が初めて観たのは大学時代なので40年近く前。
かなり忘れているが、山小屋で革靴を食べるシーンや
ジョージア(美女)と軽やかに踊るシーンは鮮明な記憶がある。

今観ても何ら色焦ることはない。
むしろ100年の時代にどうやって撮影したのかと唸ってしまう。
今のお金に換算すれば相当な予算を投じたと予測する。
調べたら撮影期間は1年3か月。
大きな賭けだったのは間違いなさそう。

全体を通して感じたのはチャップリンはアクション俳優ということ。
もちろん喜劇王らしい軽やかで笑いを誘う身のこなしだが、それ以上に動きが鋭い。
宙返りもいとも簡単にやってのけるし、荒くれ者との格闘も見事。
CGなんてない時代だからかなりのもの。
それだけで感動してしまった。
チャップリンも若かったしね。

映画の冒頭で4K修復版はオリジナルに合わせたという字幕があった。
1940年代にチャップリンは本作の一部を変更しオリジナルの公開は禁止。
その修復に時間を要したという。

政治的な意図か、どんな背景かは分からない。
変更した映画を観ても違いに気づかないかもしれない。
もしかしたらそのあたりにチャップリンのルーツがあるのかも。
勘繰りすぎかな(笑)。
そのためにはドキュメンタリー「チャップリン」も観る必要があるかも。

本作の上映時間は72分と今の映画と比較すると短め。
それに合わせてブログも少し短め。
いえるのはチャップリン映画を今からでもしっかり押さえた方がいい。
傑作ぞろい。
本作を観て改めてそう感じた。

次は何を観るとするかな。

映画「ワーキングマン」

昨年の年明け最初の映画は「ビーキーパー」
今年は本作。
ジェイソン・ステイサムファンでもデビッド・エアー監督ファンでもない。
偶然にも同じ主演、同じ監督の作品が1本目。

正月はあまり観たいと思わせる作品が少ない。
それは優秀作品がないという意味ではなく、興味を抱く作品が少ないということ。
どうしても子供向けやアニメが中心。
大ヒットするだろうエンタメ作品も多いが、そちらに体が向かない。
当初「マッド・フェイト 狂運」しようと思ったが、ホラー要素が強そうなので止めた。
その結果の本作。

単純明快で面白く、ボーっと過ごした正月には相応しい作品。
体もスッキリした感じ。

ジェイソン・ステイサムの役どころは建設現場の監督。
仕事絡みの現場で起きたトラブルを体一つで解決する話と勝手にイメージしたが違った。
会社トップの娘の誘拐事件を追いかけ、救い出すだけのストーリー。
シンプルにいえばそれだけ。
他には一切ない。
完全にネタバレだが誰も気にしないと思う(笑)。

それだけなのに2時間があっという間に過ぎるのは凄い。
ジェイソン・ステイサムファンとデビッド・エアーのコンビだからか。
製作と脚本にシルベスター・スタローンが参加しているからか。

ジェイソン・ステイサム演じるレヴォンは元特殊部隊員。
この部隊の隊員は誰でもこんなに強いのか。
世界的な犯罪組織もたまったもんじゃない。

レヴォンが追うのは犯罪組織の中でも道を外れたろくでなし。
(犯罪組織が道を外れているという話だが・・・笑)
ろくでなしは自分勝手な金儲けのために女性を誘拐し人身売買を行う。
たまたま誘拐した女性の関係者がレヴォンという偶然。

運が悪いとしかいいようがない。
そのおかげで犯罪組織自体が滅茶苦茶にされてしまった。
レヴォンの目的は女性を救うだけだったのに。
相手側に立てば泣きたくなるような流れ。

だからこそ痛快で面白い。
そんな作品。
ネタバレ全開だが、作品の魅力は全く別。
十分に楽しめる映画じゃないかな。

映画「劇場版 緊急取調室 THE FINAL」

公開時はスルーしようと思っていた。
TVドラマは一切見ていないし、ドラマのヒットに便乗する作品に興味を示さなかった。
ところが映画評論仲間と映画コラムニスト見習いが絶賛。
急きょ予定を変更し年末に鑑賞。
12月30日の映画ベストテンブログでは映画館で105本鑑賞と書いたが、結果的に106本。
人の評価は素直に聞くべきだね。

これも知らなかったが、当初は2023年公開予定。
内閣総理大臣役の俳優のスキャンダルにより公開延期になったが、
僕は最初から総理大臣役は石丸幹二でも良かったと思う。
ドラマ半沢直樹もそうだが、ちょっと裏のある役の演技は絶妙。
歌舞伎役者からミュージカル俳優にいいタイミングでの変更じゃないか。

2人の仲間が勧めるように十分楽しめた作品。
但し、期待値を高くしすぎたのは正直なところ。
もう一ひねりあるのかと思ってしまった。

観た人誰しもがいわれるようにドラマを未鑑賞でも理解できる点は上手い演出。
映画を観てからドラマをネットで観る人も増えるだろう。
もしかしたら僕もそうかも・・・。

簡単に解説すれば、厄介な事件のために集められた取調べ専門チーム「緊急事案対応取調班」が、
被疑者である内閣総理大臣を事情聴取し追い込んでいく物語。
専門チームは天海祐希はじめ一癖も二癖もある俳優連中が演じる。
エッジの立つ俳優を際立たせることでドラマの魅力を押し上げている。

足掛け10年とはいえTVドラマでこれだけ豪華な俳優を使うのもそうそうない。
そう考えるとシリーズ全体を見ることで人間関係やヒエラルキーを理解でき、より楽しめる。
特に脇役の大倉孝二や勝村政信あたりは肝心な役だが、映画の尺では深くは描けない。
そのあたりの違いはあるだろうね。

ドラマを観ていない僕が勉強になったのは取調室の可視化。
自白強要や暴力を行わないために取調室は見える化されているか。
活用方法のテクニックもあるが、実際の取調べもあんなふうなのか。
「爆弾」とは大きく異なるのは緊急取調室だからか。
ドラマを見れば分かることかもしれない。

今年もTVドラマの映画化は公開されるだろうが、
勝手にスルーを決めず、人の意見を聞きながら決めた方がいい。
貴重な評価を聞かせて頂きありがとうございました。

映画「チャップリン」

タイトルとポスターからはチャーリー・チャップリンを描いたドキュメンタリーを想像させる。
間違いではない。
しかし、僕が考えるタイトルは「チャップリン家」。
家族を描くドキュメンタリー作品。

レビューをチェックするとさほど評価されていない。
確かにそうだろう。
正直、感動を呼ぶわけでもワクワクさせるわけでもない。
僕はそれでいいと思う。
家族の実情を描くのに面白いもつまらないもない。
お互いの葛藤や確執、のちに生まれる尊敬が綴られるだけ。

目線はチャーリー・チャップリンの息子マイケルが中心。
世界を代表する映画スターを父親を持つ息子の立場を考えれば心情は理解できる。
偉大な創業者を持つ後継者も同様。
後継者育成は簡単ではない。
道を間違える例は山ほどある。

映画界も同じ。
同様の期待をされても当の本人は反発したくなる。
マイケルは自戒を込めながらチャーリー・チャップリンのルーツを探る。

よく登場する言葉はロマ。
ロマとは約1000年前にインドからヨーロッパへ移動してきた少数民族のことで、
かつては「ジプシー」と呼ばれていた。
僕は本作で初めて知った。

チャップリンはロマの血を引き、それが作品にも反映されているという。
ルーツがどんな影響を与えているかは当事者もしく接する者しか分からない。
原動力であり苦しさでもあったのだろう。
それを理解できただけでも観た価値はあった。

マイケルを中心に家族のインタビューが繰り返される。
そこだけだと睡魔が襲ってしまうが、時折、かつての作品が差し込まれる。
「キッド」「黄金狂時代」「独裁者」「殺人狂時代」「ライムライト」など。
その瞬間、眠気は吹っ飛び、スクリーンに吸い込まれた。

学生時代、チャップリン作品は相当数観た。
今でも好きな映画人で感動した記憶も鮮明。
当時は半分、ガキだった。
今観たら感じ方は随分と異なるはず。

本作の流れかどうかわからないが、今年はチャップリン作品が上映される。
改めて映画館で観たいと上映中に強く感じた。
本作は前振りだったのか(笑)。

本作の監督は孫のカルメン・チャップリン。
チャップリン家としてその価値を守り続ける必要もあるのだろう。
少しでも協力したい。
映画館でなくとも時間が作れれば過去の作品を一本ずつ観ようと思う。

今年も映画で一年を振り返る

早いもので今年も残すところあと2日。
2025年はあれやこれやで慌ただしい一年であった。
大学の授業も増え、国際ロータリー第2760地区の次期地区幹事という恐ろしい仕事もやってきて、
自分が何屋さんか分からない年になった。

そんな中でも映画コラムニストとして確実に仕事をこなしたつもり。
今年は映画館で105本、ネット配信で13本、合わせて118本の映画を鑑賞。
日本映画と外国映画はほぼ半分。
これだけの本数を観たのは大学以来。
密かに映画館100本超えを狙っていた。

忙しい、忙しいといいながら本当は忙しくないのでは?
という声も聞こえてくるが、これも大切な仕事。
映画館で100本を観るのは時間調整含めかなり大変。
興味もなくタイミングだけの作品もあるが、それが拾い物だったりと偶然の出会いも大切。

それでは恒例となった2025年のベストテンを発表しよう。
あくまでも主観で根拠はない。
感覚的に選んだ作品なので異論は受け付けない。
誰も文句は言わないか(笑)

■日本映画 2025年ベストテン
1.国宝
2.フロントライン
3.佐藤さんと佐藤さん
4.愚か者の身分
5.宝島
6.でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
7.ふつうの子ども
8.TOKYOタクシー
9.「桐島です」
10.港のひかり

■外国映画 2025年ベストテン
1.サブスタンス
2.愛を耕すひと
3.ワン・バトル・アフター・アナザー
4.Playground 校庭
5.アプレンティス ドナルド・トランプの創り方
6.満ち足りた家族
7.プラハの春
8.リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界
9.TATAMI
10.トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦

日本映画はありきたりな順位になった。
もっとマニアックな作品を選びたかったがほぼ評判通り。
「国宝」は昨日も観て2回目。
半年以上のロングランだが昨日も満席に近かった。
映画ファンとして歴代1位(実写版)の興行収入は嬉しい。
こじんまりとまとまった10本かな。
「敵」「平場の月「ナイトフラワー」は迷ったが漏れた。
主演女優賞は岸井ゆきの、主演男優賞は綾野剛としておこう。
吉沢亮はきっと他で獲得するし。

一方、外国映画は「ヤバい」作品が並んだ。
まっとうな道から外れた作品が目立つ。
その筆頭格が「サブスタンス」。
これは本当にヤバかった。
「アマチュア」「入国審査」「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」も入れたかったが、残念。
イギリス、デンマーク、アメリカ、ベルギー、韓国、チェコなど幅広く選ぶことができた。
今年は小国の作品が少なかったけどね

来年は今年ほど観れるか心配だが、しっかりとベストテンが報告できるくらいは観たい。
2025年も映画ブログにお付き合い頂き、ありがとうございました。
明日は人気食べ物ブロガーの集大成となりそうです。

映画「星と月は天の穴」

荒井晴彦作品は結構観ている。
近年でも「この国の空」「火口のふたり」は押さえた。
ほぼ男女の恋愛。
それもR18+指定があったりと。
日本映画界では稀有な存在だが、本作も明らかに荒井晴彦的。
当然のようにR18+だし。

一方で吉行淳之介は一作も読んだことがない。
調べてみるとほぼ男女を描く作品ばかり。
純文学といっていいのか。

そんな監督と作家を掛け合わせるとこんな映画になる。
まあ、男と女って所詮こんなものというところ。
いくつになっても男は理屈ばかりでだらしなくあっさりと誘惑に負ける。
巧みな言葉使いで自分をごまかすだけ。
そこも監督と作家の掛け合わせ。
エロ映画も文芸作品に思えてしまうから不思議だ。

本作の舞台は1969年。
映像はモノクロ。
話し方も昭和40年代の映画そのもの。
それが時代を表す。

学園紛争のピークの時期だが、一部の大人は冷めている。
つまらない現実に向き合うことが新たな創造を生む。
時代の分かれ目でもあるのかな。

主役は綾野剛演じる43歳の小説家。
職業柄か、話す一言一言が文学的。
それに絡む女子学生も文学的。
その会話がエロティックな雰囲気を醸し出すが、実際のシーンはそこまででもない。
間違いなく成人映画の領域だが、イヤらしさは感じない。
(映画館は女性客が多かったが、さほど気にならず)

荒井作品は結構ドロドロな男女関係が多いが、本作は意外とあっさり。
ドロドロもドロドロと感じさせない上手さもある。
たわいもない小説家のみだらな生活を描いただけのような気がするが、
人間が本来持つ本性を饒舌に語っている気もする。

分かりやすくいえば、一部の高尚な批評家は絶賛するが、
一般的な批評家は大した評価はしない。
玄人好みの作品といえるのではないか。

本作で一番気になったのは大学生の紀子を演じた咲耶という女優。
初めて知ったが吹越満と広田レオナの娘さん。
いやあ~、大胆な演技。
しおらしい大学生かと思えば、悪女的な妖艶な大人になったり・・・。
綾野剛が振り回されるのも仕方ないか。

荒井晴彦ワールドに浸りたい方はぜひ、観てもらいたい。
年末年始には相応しくないかもしれないけれど(笑)。

映画「プラハの春 不屈のラジオ報道」

アジアの島国に住む僕らにとってヨーロッパの小国を理解するのは簡単じゃない。
報道される表面的なニュースでは実際のお国事情を読み解けない。
高い教養を求められる。
残念ながら僕は持ち合わせていない。

本作はチェコで年間興行収入および動員数1位となる大ヒット作品。
一般的に社会派ドラマが大ヒットすることは少ない。
それも国の暗部を描く作品。

それが大ヒットする背景は国民が思う「プラハの春」が存在したということ。
日本で大ヒットした「国宝」とは異なる感情。
その理由も知ってみたい。
チェコとスロバキアの合作というのも意味があると思うし。

本作を観て思い出したのが映画「存在の耐えられない軽さ」。
もう35年以上前に観た映画なのでほぼ覚えていない。
重かったな・・・と印象くらい。
なぜかそのタイトルだけは未だに思い出す。

偶然かどうか分からないが「存在の~」の主役の名前はトマシュ。
そして本作の主役はトマーシュ。
ほぼ同じ。何かしらの意味があるのか、単に多い名前なのか。

そんなことはどうでもいい。
1968年にチェコスロバキアで起きた事件を実話を基に描くことに意味がある。
それも僕らは知らない、
チェコとスロバキア国民も知らない事実を描くことに意味がある。
それを学べただけでも価値はあった。

当時の社会主義国家がどんな体制で国を統制していたかはなんとなく想像はできる。
本来、言論の自由の代表でもあるマスコミはそれに抗い、
真実を追求することが求められるがどこかの国のように管理下に置かれる。
しかし、数少ない誰かが手を挙げることで賛同者が現れ徐々に意識が変わる。

そうか、本作は1968年を描いているようで、今の時代を描いているのか。
原題である「Vlny」は訳せば「波」。
ここから波を起こそうとしているのか。
と勝手なことを想像したり。
本作は中国やロシアで公開されることはあるのだろうか。

本作を詳しく解説するまではない。
調べて観てもらえばいい。
僕自身は一年を振り返る年末に観ることができたのはとてもありがたい。
映画の持つ力を改めて感じることができた。
チェコやスロバキアの作品に触れ合う機会は少ないが、本作には感謝したい。

映画「サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行」

東和ピクチャーズさんからオンライン試写会にご招待頂き鑑賞。
このような機会はありがたい。
本作はフランスで2024年年間興行収入ランキング1位となったヒット作。
日本では今週26日から公開される。
自分ではなかなか選ばないジャンルになるので、
むしろ貴重で鑑賞後はとても温かい気持ちになれた。
感謝!

簡単に解説すると、宝石泥棒の親子が障がい者施設のサマーキャンプに紛れ込み、
そこで起きる騒動がいろんな人にある影響を与えていくというストーリー。
ちょっとざっくりすぎるか(笑)。

本作には多くの障がい者役が出演しているが、実際に障がいを持つ方の出演。
それもアマチュアの俳優。
まず彼ら彼女らが素晴らしい。
演技なのか地なのかは分からないが、その行動が泥棒親子を中心にプラスの影響を与えていく。

心はピュアで思うがまま動く姿は本来の人の姿。
僕らは常に周りを意識し、時に忖度し、時に驕り、無理に感情を殺したりもする。
彼らはいつも自然体。
その分、危険が伴ったり、トラブルが起きたりするが、却って人間らしく映る。

そこに巻き込まれた泥棒親子。
最初は逃亡の手段でいいように利用しようとするが徐々に変化し始める。
そのあたりがクスリと笑える。
そして泣けたり。
フランスで興行収入1位になった理由もわかる気がする。
老若男女、誰しもが楽しめる作品といえるだろう。

僕は知らなかったが、主演のアルテュスはフランスで人気のコメディアン。
本作では監督も務めている。
日本でいえば誰に近いかな。
昔だったら志村けんさんのような存在だが、
今のコメディアンに例えると、う~ん、思い当たらない。
役者でいえばムロツヨシみたいな感じかな。
あくまでも雰囲気として・・・。

人気のコメディアンが障がいを持つアマチュア俳優を起用し、
面白おかしく、しかもウルっとくる作品を制作する。
それだけでも話題性はあるのかも。

時々はこんなハートフルコメディを観るのもいい。
ステキな機会をありがとうございました。

映画「ペンギン・レッスン」

実話をベースにした作品でなければ観ていなかった。
動物もの映画にさほど興味が湧かないのと感動させるのは容易だと思うので・・・。

学生時代、自分たちの主催するイベントに故大島渚監督を招いたことがあった。
ちょうど「南極物語」や「子猫物語」がヒットした時期。
大島監督は「人を感動させようと思ったら、動物を主役にすればいいんだ」
そんなようなことを言われていた。
その影響が残っているかどうか分からないが、これまで動物映画は避けてきた。

本作は実話がベース。
主役に近いペンギンは実際、そんな存在だったのだろう。
やはりズルい。
愛らしいペンギンは多くの人を巻き込み欠かせない存在になっていく・・・。
ついついそちらの方に惹き込まれて、感動的な物語が作られる。

しかし、よかったのはお涙頂戴というわけではなく、
社会背景が混とんとする中で生きる上でのメッセージがみられたこと。
単なる動物映画でない点は評価すべき。

舞台は1976年のアルゼンチン。
心に傷を持つ英語教師トムが赴任した名門学校で繰り広げられる出来事を描く。
サルバトールと名付けられたペンギンは重油まみれの状態をトムに助けられた。
トムは善意というよりはスケベ心から助けたに過ぎない。
上手くいくか行かないかはともかく南米は恋に陥りやすいのかな。
こんな出会いもいいかもね(笑)。
困ったトムはペット禁止の学校内に内緒で持ち帰り・・・。
そんなことでドラマが進む。

僕が動物に関心がないので分からないが、
その存在は人を優しくさせたり、ストレスを発散させたりするのかもしれない。
場合によっては大切な友人ということも。
犬や猫を飼っている知り合いもなくてならない存在のようだし。
だからこそ小さな物語で留まらず、本作のように大きな影響を与える存在になる。

本作は原作通りではないようだ。
社会派ドラマ的な要素が含めれている。
僕は却ってその方がよかった。

本作のタイトルは原題のまま。
まさにThe Penguin Lessons。
多くを教えてくれた。