前向きに行こう!名大社社長ブログ

カテゴリ「本を読む 映画を観る」の記事一覧:

映画「追憶」

それほど多くの作品を観ているわけではないが、
降籏作品は寒空や吹雪、荒れた海がよく似合う。
それが時代をグッと引き戻させ昭和を感じさせる。

岡田准一扮する主人公の封印された子供時代は今から25年前、1992年。
バブルが崩壊した頃だが、映像はどう見ても昭和。
舞台が富山ということもあるが昭和50年代と僕なんかは錯覚してしまう。
これは時代錯誤を否定しているのではなく、映像美のなせる業。
名匠木村大作カメラマンはいつもそんな肌に突き刺さるような絵を撮っている。
(あくまでも知ったかぶりです・・・笑)

だからこそ描かれる人間関係の重さや暗い過去がより圧し掛かってくるともいえる。
同じ事件でも東京のカフェだったら、こんな緊張感は演出できなかったに違いない。
映画を観ていない人は何のことか分からないと思うが、
観てもらえば僕が言わんとしていることは理解できるはず(笑)。

こういった映画は案外先行きが予測できるものだが、本作は予測通りにはいかなかった。
それがむしろ良かったし、暗く重たい映画だが、
誰もが幸せに終えることができたのは(観客も)この作品の優れた点だろう。
やっぱり人生はハッピーエンドで終えたいもの。
全ては上手くいかないけど・・・。

この作品は99分と短め。
それ自体は悪くないが、描くべく点が描き切れていないように感じた。
最後の方はあっさりした展開になってしまったのは僕としてはちょっと残念。
もう少し深くえぐっても良かったのだと思う。
これはあくまでも個人的な感想。

しかし、大切な日本映画のジャンルであるのは間違いない。
定期的にこの類の作品が作られ続けることが日本映画の価値が永続するのにも繋がる。
そして、人は常に幸せを追い求め生きていかねばならない。
親は子を想い、子は親を想い、生きなければならない。
そんなことを感じてしまった。

岡田准一はすっかり日本映画の代表的な俳優になってしまったけど、
高倉健のようになっていくのかな(笑)。
次は「関ケ原」か。
きっとこれも観てしまうのだろうな。

熱狂宣言

僕が好きな書籍のひとつとして「中田英寿 鼓動」がある。
今や日本酒ソムリエになってしまった中田氏(笑)のセリエAへの挑戦を綴ったノンフィクション。
この著者が小松成美氏。
僕がこの「熱狂宣言」を読もうと思ったのは彼女が著者だったのが大きな理由。
正直なところ、本書の主役であるダイヤモンドダイニング松村厚久社長に
それほど興味があるわけではなかった。
読み進めていくうちにどんどん引き込まれていったんだけど・・・。

なぜ松村氏のことを小松氏が描いたのか。
理由は単純明快。
松村氏が「中田英寿 鼓動」に感銘を受けていたから。
なんだ、僕と同じような理由じゃないか・・・。
本を読むのと書いてもらうのでは雲泥の差はあるのだけれど。

若年性パーキンソン病を患いながら経営を続ける松村社長は僕と同級生。
生まれた年は1967年と一年違いだが、同世代を生きてきたのは間違いない。
時代背景や価値観を含め賛同する場面が数多く登場する。
そして、知った経営者の名前も・・・。

世の中的には役立たずが多いと言われる僕らバブル世代もこう見渡してみると
案外、第一線で活躍している人物は多いのではないか。
あくまでも自分にとって都合のいい解釈です(笑)。

松村氏と僕とは世界は違いすぎるが、
ちっぽけな共通点でいえば同級生経営者として過ごしていること。
残念だがそれくらいしかない。
スケールや情熱は比べ物にならない。
ただ僕は本書を読み、刺激を受けるだけの存在。

タイトルにある「熱狂宣言」如く自らの人生を真っ直ぐに生き抜いている。
客観的に観れば恐ろしいくらい。
しかし、身近に彼がいたらいとも簡単に魅了されているだろう。
そして、自分の熱量の小ささを嘆き悲しみ落ち込むだろう。
知り合いじゃなくて良かった(笑)。

大病と戦いながらも大きな夢に向かう姿に感動する読者は多いと思う。
僕もそれを感じながらも、ずっと
「オマエはちゃんと諦めずのやっているのか?毎日燃えているのか?」
と問われているようだった。
著者や松村氏に詰められている錯覚に陥った。

それでいいのだと思う。
こういった生きた姿を知ることは自分に何が不足しているかを知ることでもある。
勉強させてもらいました。

お店も行かなきゃ。
名古屋の店はなくなっちゃったけど・・・。

映画「無限の住人」

レビューを見る限り、酷評する声と評価する声とはっきりと分かれる。
こんなに賛否が極端な映画は珍しいのではないか。
しかし、それがむしろ三池作品らしいのかもしれない。
らしいなんて知ったかぶりをしているが、僕が観た三池作品は数える程度。
DVDで観た「十三人の刺客」は衝撃だったけど・・・。

本作のテイストはこれに近い。
ぶった斬りのオンパレードで、一体何人殺せば終わるのだろうとその数を数えたくなるくらい。
実際は数えたくはならないけど(笑)。
しかし、ハンパなく殺陣のシーンが続く。
これはとても上手く作られていると思う。
キムタクの殺陣も十分見応えがある。

素人の僕が言うのはおこがましいが、黒澤作品の殺陣は芸術で、三池作品の殺陣は娯楽。
楽しみ方の違いはあれど、美しさで魅せるのか迫力で見せるのか、
監督の意図するところでなかろうか。
僕は意外と楽しめて140分の長さは感じなかった。

国内での評価はともかく、時代劇が日本のアクション映画として選ばれるべき典型的な作品。
ただ時代劇とは感じ得ないシーンも多かった。
これはワザとそんな演出をしているのかもしれないが、
登場人物のセリフ、言い回しが現代的過ぎる。
ここに江戸時代を感じることはない。

まるで今を生きているようだ。
映画の吹き替え版と思えばいいのか(笑)。

そして、キムタクはキムタク。
役にハマり切ってはいるが、「HERO」の話し方と何ら変わらない。
一緒に思える。
これもワザとそんな演出したのだろうか。
三池作品だから余計に分からない。

全体的な配役は良かったと思う。
今をトキメク役者さんも悪くはなかった。
誰かとはいわない。

違和感を感じたのが、セーラー服(に似ている)姿で金髪の栗山千明さん。
あの格好はどうなんだろう。
そもそも登場する必要もあったのだろうか。
いい女優さんだけにとても勿体ない気がした。

最近はCGで何でもやれちゃうのでどんな激しいシーンも驚かなくなっているが、
人間同士がぶつかり合うアナログチックなシーンはやはり面白い。
きっとここにも巧みにCGが駆使されているのだろうけど。

最後に戸田恵梨香ファンは観てもらいたい。
ちょっとドキッとするね。

映画「T2 トレインスポッティング」

t2

前作は20年前に公開された。
僕が観たのはいつだろうか。
多分、16~17年前。TSUTAYAで借りたDVDのはず。
衝撃的な映像だったので所々は記憶しているが、ストーリーはほぼ覚えていない。
ヤバい映画だったと記憶する程度だった。

20年後、同じ監督、同じキャストで公開されたのが本作。
当時の配役のまま歳を取った役者や時代の流れは見事だが、記憶がないので作品としては繋がらない。
映画の中で過去のシーンが時折登場するので、それをパズルのようにあてはめていくしかない。

これからこの作品を観る方は、前作を観ておいた方がいい。
復習というよりは予習(笑)。
楽しみ方は何倍にも広がるだろう。

作品の想定でいえば、ここに登場する人物は僕とほぼ同世代。
若干、年下になるだろう。
言い方は悪いが、どうしようもない連中。
まともな人物は誰一人登場しない。
僕の周りにいたら迷惑だし、友達にもなりたくない。

最近、巻き込まれることが多い僕の生活だが、この類には絶対に巻き込まれたくない。
当たり前だ(笑)。
だからこそ、無責任に楽しめる。
無責任に感情移入ができる。
ほんの少しだけこんな人生も面白いかもと思ってしまう。
絶対に関わりたくはないが・・・(笑)。

最新の映像技術を使っているわけではない。
作風は古い。
しかし、斬新ともいえる。
そのカメラワークやカットの切り替えは強いインパクトを与えてくれる。
だから時々、体が震える。
ベラベラとずっと喋り続けるシーンは多少だれるが緊張感の連続。
まあ、健全な50歳が観るような映画じゃないかもしれないけど・・・。

僕がこの映画を観たのは休日の昼間。
もっと空いているかと思ったら、結構混み合っていた。
それも圧倒的に若い世代。
想像するに前作の頃はR15指定に引っ掛かり、観れない世代。

こういったポップカルチャーな作品はいつも若者を引き付けるのだろうか。
理由は分からないがそんなことを思ってしまった。
そして、どう感じるのだろうか?
こんなオヤジに憧れるのか。
それとも絶対にこんなオヤジになりたくないと思うのか。

これが5月第一弾ブログとはいかがなものか・・・(笑)。

マーケティングに強くなる

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久しぶりにマーケティングの書籍を読んだ。
本来、僕はマーケッター。
ウソです。
マーケティングが好きなだけです・・・(笑)。

しかし、最近はその類よりは経営者論や組織論ばかり。
どんどん頭が硬直化されていく。
メンバーに任せていくことも重要だが、自分自身が発想力を磨き、
次の競争力をつけていくことも大切。
そのためには最新のマーケティング手法も学ばなければならない。

とはいえ、本書はより難解な技術を示しているわけではなく、基本的な技術が多い。
マーケティング1.0から2.0に移り、3.0をどう実践していくか。
製品でもなく、顧客でもなく、より人間中心的なマーケティング。
AIとかIoTと言われれば言われるほど、その重要性は増すのではないか。
ビッグデータも活用しながらも、どう感性や感覚を研ぎ澄ませていくか。
それが求められるのである。

10年前、僕がマーケティングのクラスに通っていた時とは変化している。
講師はその当時からマーティング3.0だったと思うけど。
振り切っていたわけですね(笑)。

今、会社の課題も新規事業をどう起こし推進していくかが大きなテーマだが、
そう易々と生まれるものではない。
本書にも書かれているが、
「組み合わせ」「絞り込み」「拡大」「縮小」「並び替え」するだけでも、
満たされていないニーズにリーチすることは可能。
そこばかりに頼るのは危険だが、もっと深堀をしていく必要もありそうだ。
イノベーションも重要だが、マーケティングの知恵や発想がより求められる。
確かにその通りだな・・・。

横浜スタジアムにしても従来の競合の捉え方を変化させ、観客動員数を増やしている。
競争相手を平日は居酒屋やカラオケ店、休日はテーマパークにすることで発想を切り替えていく。
野球の楽しみ方も変わったようだ。
ドラゴンズも真似るべきかも・・・(笑)

ちょっと今期は自分でもこのマーケティングの分野にこだわって仕事をしたいと思う。
街に出ていろんな人と酒を酌み交わすもの需要なマーケティングだけど・・・。

映画「LION ライオン 25年目のただいま」

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映画であるのは間違いない。
しかし、時折、ドキュメンタリーを観ている錯覚に陥る。
それは実話を基に製作された作品というのが大きな理由だが、
冒頭の美しい蝶(ひょっとして蛾?)が舞うシーンからグイグイと引き込まれていった。

僕は映画のちょうどいい長さは120分だと思っている。
90分だとちょっと物足りない。
2時間を超えると集中力が切れだれてくる。
これは観る側のスキルのなさ?かもしれないが、そう思う。
本作は119分なので、映画の長さとしては理想的。

しかし、個人的に感じたのはもう少し長くして描くべきシーンを描いたほうがよかった。
もしくは余分なシーンを省いてまとめてもよかった。
あくまでも主観でしかないが、そんなふうに感じてしまった。
どこのシーンかは忘れてしまったけど(笑)。

こんな書き方をすると作品を否定しているように思えるが、
今年観た洋画の中では今のところベストな映画。
泣かせどころの演出にまんまとはまり、ウルウルとしてしまった。
絶対、こんな展開だなと冷静に判断しても引きずりこまれてしまう。
そして、よかった、よかったと安心して喜んでしまう自分がいる。
観る者の心を優しくしシアワセにさせる映画。

この作品のキーマンはニコール・キッドマン扮する養母だという人は多い。
確かにその寛容性は日本人には考えにくい。
親としてそんな関わり方もあるのかと関心させられる。
あんなセリフはとても常人では言えない。

(このブログはネタバレをしないように慎重に書いています。
場合によっては意味不明と思われる表現があるとは思いますが、
それは読者のためとご理解下さい(笑)。)

しかし、それが人を育て、人を傷つける。
主役であるサルーは間違いなく何万人に一人の幸せ者だろう。
だからこそ、悩み苦しみ、自分なりの解を見出していく。
僕や自分の周りではとても想像できない。
インドでは今でも年間8万人が行方不明になる当たり前の話らしいけど・・・。

それにしても主役サルーの子供時代を演じるサニー・パワール君は素晴らしすぎる。
演技をしているのか、ありのままの姿なのかわからないくらい本物だ。
これからどんな大人になっていくのだろう。
やっぱり髭もじゃになるのかな・・・。

最後の最後までこの作品のタイトルの意味が分からなかった。
これは映画を観た人の共通な疑問。
そして、最後の最後に初めて理解する。
あ~、なるほどね・・・。

理由を知りたい方は是非、劇場へ(笑)。

映画「ムーンライト」

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今年のアカデミー作品賞受賞作品。
僕が海外の作品賞を観ることは珍しい。
大学時代は義務的な面も含め観ていたが、どうも感覚が異なる作品が多かった。
思うように感動しなかったのだ。

僕の文化レベルが低いだけかもしれないが、
揺さぶられる作品が少なかったのは事実。
そんなことを思うとこの映画は実にレア。
アカデミー賞の発表で名優が間違えて読んでしまったことも
少なからず影響しているかもしれない(笑)。

この作品ほど、先が読めない映画はなかった。
どんな映画でもある程度先行きが読め、結論をイメージできるわけだが、
(外れることも多いけど・・・)
本作はどんな展開になるかは全くみえない。
先は全然分からなかった。

それは人種や文化の違いもあるだろうが、
映画が持つメッセージに僕がついていけなっただけのこと。
それだけ複雑で情緒的だ。

この映画のポスターをよく眺めてみると一人の人物でないことが分かるはず。
それぞれの年代を生きている証明なのだが、当然、同一人物ではない。
(映画上は同一人物だけど・・・)

しかし、その繋がり感は見事であり、
その肉体の変化を含め生き様はひとりの人物である。
僕の意味不明な表現は映画を観れば納得できるはず(笑)。
映画のテーマが新しいとはいえないが、
そのカメラワークや展開手法は新たな世界を築いている。
そんなふうに思ってしまった。
偉そうだけど。

この映画を観ながら、世界は違うが「愚行録」を思い出してしまった。
関係性において近いとも感じる。
そして、イジメや育児放棄で与える影響は万国共通。
ひ弱な日本人も屈強なアメリカ人も関係ない。

育つ環境が悪ければ、子供は健やかには育たない。
筋骨隆々の黒人だがらタフというのは先入観にすぎない。
どんな人種だろうと悩みは常に抱えている。
それを知りえただけでも本作を観た価値はある。

これからはとても難しい時代。
だからこそ純粋に懸命に孤独と戦い生きなければならない。
そのことをムーンライトが教えてくれた。

テレビじゃ言えない

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なぜか著者の本を買ってしまう。
芸能関係者の書籍をほとんど読むことがないのに何故か買ってしまうのだ。
理由は分からない。
映画と一緒で、たけし氏が特別なことを言ってくれると勝手に期待してしまうのだろう。

書かれている内容は大体くだらない。
それは本人が一番わかっていることだと思うが、どうでもいい話が多い。
しかし、その遠慮のなさと時折、突く本質がたまらなく面白い。
ちょっとくらいの有名人ならまず書くことはできない。
百戦錬磨、いくつもの危ない橋を渡ってきたからこそ、
平気でモノが言えるだろうし、それが芸風としても認められるのだろう。

読んだ内容も次の章に移っていくと同時に忘れてしまう。
記憶に残ることなく、瞬く間に消えていく。
それは読み手である僕の能力のなさかもしれないが、実際、そんな感じ。
ただ印象に残る言葉や著者が持っている本来の優しさを感じることもできる。
優しさは高倉健、タモリ、デビット・ボウイらのエピソードはそれ。
なぜいいお付き合いができるかは、本書に書かれていないたけし氏の魅力。
相手にしか分からない魅力があるに違いない。

なんて、僕がエラそうに書いたところで、
たけし氏に言わせれば”ネットは「バカのための拡声器」”に過ぎない。
僕のブログやスタッフブログの決め事として、他人の誹謗中傷はしないことにしている。
反対意見があれば、それは理由をつけてハッキリいうこと。
非難になるかもしれないが、誹謗中傷ではない。
そこは間違えてはいけない。

その点では「バカのための拡声器」ではないと思うのだが、
現実は僕のバカバカしい内容ではそんなふうに捉えられても仕方ない。
まあ、今更、かしこぶってもいけないし、ブログも止めるわけにいかない。
別に止めても困る人もいないし、僕も楽になれるので止めても問題ないのだが、
自分の中ではそれが許されない。理由はない。
やると決めたらやるだけのこと。
会社じゃ言えないことをブログで言ってるだけかもしれないし・・・(笑)。

本書を読むとなぜテレビの魅力が落ちているのかも分かる。
じゃあ連載中の雑誌は大丈夫なのかというとそうでもないだろう。
「バカのための拡声器」に押されてしまってるのも事実。
何が正しいのかは自分で判断するしかない。
たけし氏の考えと同じわけだ(笑)。

たまにはこの手の書籍もいい。
いつまでも毒を吐いていただきたい。

映画「湯を沸かすほどの熱い愛」

yu17031

昨年公開された映画だがタイミングを逃し観ることができなかった。
作品の評判も良かったが、主演の宮沢りえさんの評価も高く
キネマ旬報はじめいくつもの賞を受賞していた。
DVDでしか観ることはできないと諦めていたが、
なんと家から一番近い映画館「中川コロナ」で18日(土)より2週間公開されるのを知った。

これは運がいい。
早速、昨日、朝一番で観に行った。
思わず泣いてしまった。
お涙頂戴映画であるのは否定しないし、そんなシーンも多い。
そんな演出にまんまと乗ってしまった。

少し前に観た「愚行録」はブログにも書いた通り、気分の悪い映画だった。
登場人物は不幸で、不幸のまま生きていく。
本作品も基本、登場人物は不幸である。
厳密にいえば不幸を背負った過去を持つ。

しかし、生き方が変われば、そんな不幸も幸せに変換できる。
正しく愛を注入すれば、みんなハッピーになれるのだ。
それを一身に背負い、見事に生き抜くのが宮沢りえさん演じる主役の幸野双葉。

公開されしばらく経つので、ネタバレしても問題ないだろう。
少しだけ触れておく。
末期がんを宣告され余命2ヶ月を激しく生きていく。
それは家族のため。そして、自分のため。
それを涙なくしては観ることができない。

その真っ直ぐさ、母親らしさ、圧倒的な人間的強さと優しさ。
最後の最後まで自分の果たすべき目標に向かい生きていく。
「死」という恐怖に立ち向かいながらも懸命に生きる。
いやあ~、ステキな映画だった。
昨年観ていたら、僕のベストテンの上位に食い込んでいただろう(笑)。

作品そのものも見どころだが、出演者一人ひとりも見どころ。
これほど上手いキャスティングの作品も少ない。

まずは宮沢りえさん。
主演女優賞総なめは当然ともいえる。
やつれていく姿も含め、感動的。

娘役の二人も最高だと思う。
杉咲花さんは圧倒的存在感。
Cook DoのCMで回鍋肉を勢いよく食べる姿しか知らなかったが、こんな上手いとは。
子役の伊東蒼ちゃんも小学生とは思えない演技。
オダギリジョーもそのだらしなさや抜け感もいい。
一人ひとりの役回りで作品のリアルさが高まっていく。
そんなことを感じてしまった。

この作品の肝はハグ。
ハグというよりは抱きしめると言った方がいいのかもしれないが、それが人を幸せに導いていく。
重要なシーンでそれがみられていく。

タイミングよく公開してくれてよかった。
今回は中川コロナに感謝ですね(笑)。

春に散る

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沢木耕太郎氏のノンフィクションはほとんど読んでると言っていい。
一方で、ちょくちょく書いている小説は一度も読んだことがない。
正直なところ、それほど魅力に感じない。

しかし、本書は出版された瞬間に盲目的に購入してしまった。
大きな理由はボクシングを物語のベースにしているから。
僕はボクシングに精通しているわけでも、好きなスポーツでもない。
たまたまTVでやってれば興味深く観るが、その程度のこと。
しかし、ボクシングというワードに惹かれ、買ってしまった。

沢木氏の代表作は数多い。
その中で僕が好きな作品は「敗れざる者たち」「一瞬の夏」「コホーネス<肝っ玉>」。
「深夜特急」もメチャクチャ好きだが、
スポーツノンフィクションは圧倒的にボクシングになる。
特に「一瞬の夏」の興奮度はたまらない。

その興奮を体が勝手に求めたのだろう。
上下巻でトータル846ページの長い作品だが、僕はもっと長くてもいいと感じた。
世界チャンピオンへの道のりをもっとゆっくり描いてもよかったのではないか。
その後の世界をもっと引っ張ってもいいのではないかと・・・。

読み終えて感じたこと。
沢木氏はこの小説を書きたくて仕方なかったのではないか。
僕の勝手な読み方でしかないが、著者がこれまで取材してきたスポーツの分野や
人の生き方をひとまとめにしてしまった小説。
集大成だろう。
そんな感じがしてならない。

取材対象者をオーバーラップさせながら、
ペンを走らせていたのではなかろうかと思う。
それが読み手に興奮を与えれば何も言うことはない。
僕も上手く乗せられた一人。
ちょっとした感動と興奮を与えてくれた。

小説を読むこと自体少ない。読むにしてもビジネス小説がほとんど。
ほとんどというより100%だろう。
何年振りか分からないくらいのビジネスもの以外の小説を読んだ。
たまには気分転換に読むのもいいかも。
別世界にいかないとつまらない人間になってしまう。

次回作を期待したい。
すぐには書かないだろうけど(笑)。

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